■荷物がない!
ベトナムへはキャセイパシフィック航空だったので、香港経由だった。わたし達はホーチミンに到着し、ターンテーブルで荷物を待っていた。T野以外の荷物はもう出ていた。まだ荷物を待っている人はT野を含む5人くらいはいた。
「終了!」
係員がそう叫んだ。T野を含むまだ荷物を待っていた人達が悲痛の叫び声を上げた。恐らく香港で積み残されたのだろう。
わたしはT野に付いて、バゲッジクレームへ行った。しかし、ベトナム人の英語は全然分からない。(まあだからといってネイティブの英語もよく分からんが・・・)
荷物がなかった人の中に他にも日本人がいた。今時のチャラチャラした若者という感じの男女で、まったくアテにならないなと思った。ところがである。その日本人、なんと英語がペラペラだった。そして親切にもT野の面倒まで見てくれたのである。人を見かけで判断してはならないといういい例だった。
■国営百貨店
今のところ荷物はまだ見つかってもいないので、今日からの下着や着替えをどうにかしなくてはならない。ホテルに着いてすぐに国営百貨店へ行った。ここはおみやげ用と言うよりは日用品が売っている所だったので、何もかも揃っていた。しかも物価が安いので関係のないわたし達までT野そっちのけで買物を楽しんだ。
しかし問題が発覚した。ベトナム人とは根本的にサイズが違うのだ。日本ではペチャパイのわたしでさえ合うブラジャーがほとんどないのだ。ましてや巨乳のお三方はまったくと言っていいほどなかった。結局商品は多くても限られた中から選ぶしかなかった。
遅くなってしまったので、今日の夕食はフォーのチェーン店「フォー24」というところへ行った。名前からして24時間営業なのかと思ったらそうではなかった。現地で食べるフォーはおいしかったがパクチーは苦手だ。
■「フォー24」の料理
■アオザイでGo
この旅行はオールフリーの激安ツアーだが、おもしろい特典が付いていた。「アオザイを1日レンタルできる。」というものだった。大概の人は着たその場で写真を撮って終わりみたいだったが、わたし達はせっかくなので、それを着て1日観光することにした。
店へ行くと、「あなたはこちら」と言って、体型を見て合いそうなサイズのコーナーを案内された。
やった!私のサイズが一番種類が多い!
ところがである。それを着てみようとすると、丈は合っても幅が全然違うのだ。ベトナム人は華奢なので、無理して着ようと思っても無理だった。結局ワンサイズ大きなものを選んで、不細工な着方になってしまった。
■アオザイ姿のわたし(靴がスニーカーでおもいっきりヘン)

その格好のまま、ベンタイン市場へ行ったら、店のおばちゃん達に笑われた。あるおばちゃんなどはわざわざやって来て、わたし達の背中を叩きながら笑うのだ。確かに日本で西洋人が変な漢字の浴衣を着て歩いているのを見かけることがあるが、それと一緒なんだろうか。それにしても笑いすぎだ。失礼な!
ここで思い存分買物をしたあと、今度はここからバスに乗って、ビンタイ市場へ行った。バスは想像していたよりもはるかに綺麗くてびっくしりた。ビンタイ市場は終点だったので特に困ることもなく無事到着した。こちらは庶民の日常の市場という感じで、T野の明日からの服を購入した。
■バスの内部とビンタイ市場の最寄のバス停

■ベトナムでフレンチを
せっかくアオザイ姿なのだから、今日の夕食はフレンチにしようというのが旅行前からの計画だった。
インターネットの口コミサイトを見て選んだ店が「Le Caprice」。予約をしていなかったので、5時に店へ行った。
するとまだ準備中で、席を用意してもらう間は喫茶室へ通されそこで待った。すぐに呼ばれて着いた席は窓際のサイゴン川が見渡せるその店の特等席だった。
まずはシャンパンから始まって、ワインにフルコース。食事が終わる頃には店内はお客で賑わっていた。料理は本格的で味は最高!最後にはひとり1輪ずつの薔薇をプレゼントされた。ウエイターのサービスも良くて、日本では味わえないセレブ気分を存分に味わえた。金額もそれなりで、日本でも夕食1回に払う金額としては高いくらいだったので、現地では本当にセレブだったんだろう。
他の客を見てもわたし達のようなサービスを受けているようには見受けられなかったので、アオザイがよかったのではないかとひそかに思っている。
■「Le Caprice」の料理

■ノリノリ ベンゲー号
夕食を早い目にとったのは予約してなかったせいもあるが、20時すぎから出航するナイトクルーズへ行こうと思っていたからである。
わたし達が乗ったのは「ベンゲー号」。
船乗場へ行くと、もう船が待っていて、特にチケットなどが売っている様子もなく、船に乗り込むと納得。船自体がレストランなのだ。
わたし達は景色の見える端の席に案内された。先程フレンチのフルコースを食べたのにも関わらず、今度はビールと空芯菜の炒め物を注文した。
前には舞台があって、民族音楽などを演奏している。川沿いを走行しながら飲むビールの何たるおいしいことか!
このクルーズのクライマックスには綺麗なおねえさんによるファイアーダンスまで用意されていた。わたし達はワインを3本あけた上に、ビールもおかわりをし、結構酔っ払っていた。
「ヒューヒュー!」
ファイアーダンスの音楽に合わせて席を立って踊り狂っていたら、隣のタイ人のおじさんのグループに気に入られてしまった。
「君達は韓国人?」
韓国人は騒ぐイメージがあるのだろうか。
「日本人です。」
「君達ノリがいいねえ。船を降りた後一緒に飲まない?」
く〜!!これが若いイケメン達だったら考えるのになあ・・・。一緒に飲むのはお断りしたけど一緒に記念撮影をパチリ!後でファイアーダンスのおねえさんとも写真を撮ってもらった。
■ベンゲー号の看板と船内のようす
■カメラがない!
わたし達の宿泊先である「サイゴンホテル」にある旅行社でマングローブツアーを日本語ができるガイドを付けてもらって、しかも散々粘って結構値引いてもらえたので、今日はそのツアーに出かけることになった。
朝、ホテルの前にマイクロバスが迎えに来てくれた。Y本以外全員揃ったが、Y本がなかなか来ない。どうもカメラがなくなったらしい。
全員が青くなった。みんなY本のカメラを心配したのではない。今日までY本をカメラ係に任命していたので、Y本以外はろくな写真を撮っていなかった。そう!データを心配したのだ。
「もう1回見たところを探してみて!」
それで見つかるとは誰も思っていなかったが、意外と見つかった。
「いや〜。ごめん、ごめん。スーツケースの中にあったわぁ。」
やれやれ。驚かせやがって。
「しかしこれからはみんなもちゃんと写真とろう」
ということになった。ここから先の写真の数は猛烈なものになってしまった。(長くは続かなかったが。)
■マングローブツアー
ツアーに帽子も付いているというので、わたし達はよくベトナム人がかぶっている三角形のワラでできた帽子が貰えると思い込んでいたが、配られた帽子はただのキャップだった。よく考えてみるとツアー旅行者が全員三角形の帽子をかぶってたら異様だものな。
街をしばらく行くと、メコン川のフェリー乗場に到着した。ここで渡し舟に乗って、その後はひたすら舗装されていないデコボコ道を延々と走る。街と違って道路沿いにはボロボロの庶民の家が並んでいた。
■フェリーと道路沿いの家

1時間半ほど走るとメコン・デルタの町カンザーに到着した。ここはマングローブの森の中に民族解放戦線の基地がある。
資料館で予習した後、いざボードに乗り込む。マングローブの中をゆったり行くのかと思いきや、猛烈なスピードで駆け抜けていく。船頭さんはノリのいい人で、わたし達が「キャーキャー」言うのを聞くとますますボードを揺らそうとする。これだけでもスリル満天でおもしろかった。
民族解放戦線の基地は等身大の人間の模型があってこの場でどういう作業が行われたかリアルに表現していた。ワニに襲われた人の模型まであってこれには笑った。
ベトナム戦争の映画でしか見たことのなかった風景だが、実際来てみるとこの基地でどんな風に暮らしていたかが分かって結構勉強になった。帰りもまたボードに乗って来た道を帰った。
■マングローブとワニに襲われて応戦する兵士

リゾートホテルのレストランで昼食となった。インターネットの口コミによると超格安の英語ガイドのみのマングローブツアーは昼食がひどいとあったが、このツアーの昼食はすごくよかった。ベトナム料理の代表的なものばかりを集めた厳選されたメニューで、品数もけっこうあった。このツアーはアタリだったかもしれない。
■昼食

■ケンジさんの家へ行く
夜になってから、Y本の親戚のケンジさんの家へおじゃました。ケンジさんは駐在員で現在ホーチミンに暮らしているのだ。
さすがは駐在員の家!ホテル並みのマンションでしかも警備員付だ。家の中は大理石の床にビックリ!お手伝いさんも来てくれて、物価の差を感じた。
ケンジさんの奥さんと子供達が歓迎してくれて、色々とごちそうになった。夕飯はマンションから歩いてすぐのビアホールに連れて行ってくれた。わたし達の好みにぴったりのところを選んでくれるなんてケンジさん最高!
■マンションとビアホール
やっとT野のスーツケースが見つかって届いた。明日の予定はエステだけだというのに今頃もう遅いわ!
「これからは絶対飛行機に荷物は預けないから!」
散々なT野はこう宣言した。
ベトナムのエステは良いので、是非行くようにと出発前に言われていたから、資生堂の「キーサイゴン」へ行くことにした。
Y本が軽く「予約の電話するわ。」と言うので、この4人の中で一番英語があやしいのにどう言うのか興味があったので、黙ったまま様子を見ていた。すると、
「もしもし!あれ、この電話おかしい!!」
結局ホテルの電話からだったので、まだ外線にもつながってなかったのだが、日本語で言おうと思っていたらしい。このまったく怖気づかない性格はすばらしい。
しかしさすがにこれは無理だと思ったので、私のカタコト英語でなんとか予約を取ることが出来た。
■キーサイゴン
全身のコースを頼んだら、キャンペーン期間で、なんとネイルとヘアカットまで付いてきた。
- スチームサウナ、シャワー
- 全身マッサージ
- 顔エステ
- 足ツボマッサージ(飲み物付)
- 食事、休憩
- ネイル
- ヘアカット
これで全部で90ドルだからものすごく安い。2時からの予約で、終了したのが8時すぎていた。
ヘアカットは少し冒険だったが、選んだヘアカタログと同じようにしてくれた。というかその写真の微妙な前髪の動きまで同じにしようとするので、(そこまでは求めていないんですけど・・・)と言おうと思ったが、何て言えばいいかも思いつかなかったので成り行きにまかせた。
終わった後はお肌つるつる、体はらくらく、お腹はいっぱいだった。
夕食はやっとベトナム料理の店へ行くことができた。よく考えてみるとツアーで食べた以外はまだまともなベトナム料理を食べていなかった。ツアー会社のホーチミン支店へ行ってこの辺りでおいしいと言われているレストランを訊ねた。すると「タンナム」という店がいいという。その店はわたし達のホテルの前だった。
■「タンナム」の料理 ウエイターはイケメンで感じがよかった。
■酔っ払い参上!
今日は最後のベトナムの夜だ。おいしいという評判のベトナム産のワイン「ダラットワイン」を買ってきて、乾杯することになった。
「乾杯!」
まずは白を開けてみた。
なんじゃこりゃ?雑巾の搾り汁の味がした。
「うえっ!こんなまずいワイン初めてだ。もういらん。」
K美さんがもったいないので飲んでくれることになった。
では気を取り直して赤を開けてみた。
「赤玉ポートワインを激甘にしたみたいな味だあ。これは飲めん・・・」
しかしひとりだけいつも味覚が違うY本が、
「これおいしい!」
と言って飲んでくれることになった。
わたしとT野は正常な舌の持ち主なので、さすがにこれらは遠慮した。
このまま飲み会はお開きになり、K美さんとY本は帰っていった。(部屋は隣りだがつながっている)
もう寝ようかなとベッドに入って目をつぶっていると
「起きてる?」
Y本が乱入してきた。T野はもう寝ていたので、3人で二次会をすることになった。
「ビール開けよう!」プシュッ!
「これ、おみやげのビールじゃ・・・」
と聞くと、
「いいねん、いいねん。」
といいながらY本はおみやげのお菓子にまで手を付け始めた。彼女は相当酔っ払っていて、
「男がなんだー!」
とガンガン机を叩き、安定の悪い机はその度にぐらつき酒がこぼれそうになるのを必死におさえた。さすがにもう飲む酒がなくなったので、明け方お開きとなった。
■ボロボロ・・・
今日の朝は寝不足で上々の朝とは言い難かったが、雨季に訪れたわりには1日目以来ずっと晴れっぱなしだった。
「おっはー!朝ごはん食べに行こう。」
隣の部屋をのぞいたら、Y本が死にそうになっていた。
あっちゃ〜!二日酔いか。
昨日の様子を何も知らないT野にY本がT野の眠っている姿を写真に撮ったことを話すとT野が逆襲にでた。
「ええいっ!この二日酔いの無様な様を写真に撮ってやる!」
何をされてもY本は言い返す元気すらなく、そのまま空港へ行かなければならなかった。
わたし達がY本の荷物も持ち、チェックインの手続きもし、T野の荷物が延滞した補償金を貰ったりとその間Y本はずっと椅子に座って死にそうな顔をしていた。
「世話のやけるやつだなあ。もうゲートに入るぞ。」
と言いに行くと急に
「直ったかもしんない・・・」
さすがは二日酔い・・・治ったあとはいつもどおり騒がしくなった。
(2009.4.9)
